存在してないもの

在るようなないような雑記帳

虐待が人生を破壊する

虐待って本当に恐ろしい。身体の傷は治るけど、精神的な傷が消えない。虐待される側は、自分が悪いから暴力を振るわれると思い込まされている。そして、自分は価値のない人間だとしか考えられず、誰かに依存しないと生きていけない。マリコもそんな人生を歩んでいた。トモヨに依存する重い女。でも、トモヨは面倒だと思いつつも受け入れていた。トモヨにとっても、マリコの存在は大きかったのだろう。だからこそ、マリコを壊した父親からマリコを遠ざけたいと思い、遺骨を強奪した。

個人的に印象に残ったセリフは、マキオの「もういない人に会うには自分が生きているしかないんじゃないでしょうか」。これは一連の事件が終わった後に出てくる言葉だが、トモヨが海に身を投げようとするときにこのセリフがあっても良かったと思った。

最後の手紙はどんな内容なのだろう。タイミング的には遺言だが、トモヨの表情を見るに、内容は日常の他愛もない出来事がつづられているようにも読みとれるし。想像がつかない。