存在してないもの

在るようなないような雑記帳

これが日本の現状ですか

2月3日、荒井勝喜首相秘書官が、LGBTQなど性的少数者同性婚のあり方について、「僕だって見るのも嫌だ。隣に住んでいるのもちょっと嫌だ」などと差別的な発言をしたとのこと[1]。その後、「先ほどやや誤解を与えるような表現をして大変申し訳なかった。撤回させていただく」として、謝罪・撤回した[2]。しかし翌日更迭された[3]。なんとしょうもないニュースなのか。突っ込みどころが満載だ。

まず性的マイノリティー同性婚の「あり方」、つまり社会においてどう位置付けていくべきかを問われているのに、見るのがどうとか、隣に住んでいたらどうとか、全然答えになっていない。

首相秘書官としての見解が欲しいのに、「見るのが嫌」「隣に住まれると嫌」とか個人レベルのような言い方をされても困る。しかし、「秘書官室もみんな反対する」とも発言しているらしく[1]、これはほぼ政府見解ということなのだろう。少なくとも秘書官の見解ではある。

こういう発言をすると、どういう風に受け止められ、社会がどのように反応し、そして自分の立場がどうなるのか、予想できないのだろうか?結構過激な発言だから、ネガティブな影響・反応が返ってくることは容易に想像できるはずなのだが。自分の周りは同性婚などに否定的な人間ばかりだから、一般的にもそうだと思ったか?だとしたら公職を務める資質がないと言わざるを得ない。

発言を撤回する際、「やや誤解を与えるような表現をして」と言っていたが、政府の人間が発言を撤回するときにいつもこのセリフを言っている気がするが、言い訳にしか聞こえない。最初の発言は嫌悪感が前面に出ているということは誤解しようがないと思う。余計な言い訳などせずに、嫌な思いをさせたことを謝罪して、撤回するだけでいいと思う。

あと、「首相には申し訳ない」って何?謝罪する方向間違ってません?

首相はこの秘書官を更迭したわけだが、一方で国会では同性婚の法制化について否定的であり[4]、この秘書官と同様の思想を持っているように思える。しかも、反対理由が「社会が変わってしまう」という謎のふわっとしたもの。社会をいい方向に変えていくのが政治家や政府の仕事のはずなのだが。もし社会が悪い方向に変わってしまう可能性があるなら、それはちゃんと説明するべきだ。具体的な反対理由が出ないのなら、とりあえず法制化して、ダメだったら止めますでもいいと思うけど。

[1] 首相秘書官、性的少数者や同性婚巡り差別発言
[2] 首相秘書官がLGBTQ差別発言を謝罪・撤回 「首相には申し訳ない」
[3] 首相、荒井勝喜首相秘書官を更迭 LGBTQや同性婚巡り差別的発言
[4] 同性婚「社会変わってしまう」 首相発言に専門家「差別肯定と同じ」